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インプラントの成功率と歴史
 

インプラントの成功率

インプラントの成功率

1965年、ブローネマルク教授によって治療された最初の患者さんは、治療後40年近く当時のインプラントを使用して、最近亡くなりました。

現在、ブローネマルクインプラントの20年累積残存データとして発表されているものには、1983年から85年にかけて治療された報告で、上のあご(上顎)の残存90.0%、下のあご(下顎)の残存92.3%というデータがあります。

また、10年以上のデータでは96%5年以上のデータでは98%以上と報告されています。

現在でもインプラントはその形を変えて新しい物が開発され続けています。歯肉に対して問題ない物骨の吸収のない物審美性に優れた物などです。また、インプラント体の表面の形態も、できるだけ骨との結合が高い物が開発されていますので、残存率はさらに上がっていくことでしょう。

 
 

インプラントの歴史

インプラントの歴史

インプラントの歴史はとても古く、紀元前と言われています。1931年には中南米のボンジュラスで紀元600年のインプラントされた下あごの骨がみつかっています。なんとこの顎の骨には貝殻で作られた歯が埋め込まれていました。古代の人たちは現在よりも硬い物を食べていました。

歯ブラシなどない時代に、硬い物を噛むことは唾液の分泌を促しますから、それなりに虫歯の予防にはなりますが、今ほどではありません。もちろん治療の技術はほとんどありませんでした。歯が無くなることは、栄養の摂取を絶たれること。イコール死に直結していたのです。

では、貝殻のインプラントは骨の中で安定していたでしょうか。たぶんそれはないでしょう。つい最近までしっかりと骨の中で安定するインプラントはありませんでした。鉄、金、エメラルド、サファイヤ、ステンレスにアルミニウムなどがためされましたが、どれも満足のいくものではありません

ましてや、長期にわたり自分の歯のように噛めるようなインプラントはなかったのです。それはインプラントと骨がしっかりと結合しなかったからです。

そんなインプラントの歴史にピリオドを打ったのは「チタン」でした。チタンは骨と結合し、長期にわたり安定する素材として現在もっとも選ばれるインプラントです。インプラントには長い歴史がありますが、安定する、かめるインプラントの歴史は、その壮大な時の流れのまだ一部と言えるでしょう。

しかし、現在のインプラントにはすでに約40年の歴史があります。世界中で行われているインプラント症例の中には、40年を過ぎてまだ十分に機能をはたしているインプラントもたくさんあります。

ようやく私たちはインプラントの完成形となる物を手に入れたのです。これからもチタンを使用したインプラントは、私たちの生活をより豊かな物にしてくれることでしょう。

ではここで、現在使用されているインプラントがどのように生まれたのか、そのエピソードをご紹介しましょう。

1952年スウェーデンの科学者ペル・イングヴァール・ブローネマルク教授は当時ルンド大学の医学部で、応用生体工学研究所の所長もしていました。骨の治癒に対する骨髄の役割について研究をしていた彼は、ウサギの足に研究用の顕微鏡を埋め込みました。

研究を終え、器具のとりはずしを試みた彼は、驚くような事実に直面したのです。その器具がはずれないのです。研究器具はチタンでした。今まで使用していたステンレスの器具ではそのようなことはありませんでした。ブローネマルクはチタンが骨に結合するのではないかと考えたのです。

1960年イエテボリ大学解剖学教授となったブローネマルク教授は、生体内で血球がどのような働きをするのかという研究に取り組むこととなりました。そこで初めて人間に対し血流を調べるためのチタン製の顕微鏡を腕に埋め込んだのです。

研究器具は今回骨ではなく軟組織に埋め込まれました。ここで新たに彼はチタンが硬組織だけではなく軟組織に対しても親和性が高いという事実を知りました。

何ヶ月にも及ぶ研究の終わりにチタン製の器具を取り外すと、埋め込んでいた軟組織には何の異常も現れていなかったのです。チタンは硬組織に対しても軟組織に対しても親和性の高い、つまり生体親和性の高い金属であるということが証明されました。歯と骨と歯肉が共存するお口の中にとって、これはとても重要なことです。

体には自分以外の物の侵入を妨げるという働きがあります。例えば細菌やウィルスなどが侵入されては困りますし、ケガをした時にも体の中に石や何かの破片などが入り込みにくいようになっているのです。

自分と自分以外を判断する機能があるということです。そして、自分以外の物を排除します。

しかし、チタンは違うということなのです。

その後も実験は続けられました。そしてチタンが骨と強固に結合する事が証明され、ブローネマルク教授はこれを骨との結合という意味で「オッセオインテグレイション−osseointegration −」と名づけたのです。Osseoとは「骨」、integrationとは「結合」を意味します。

そして1965年本格的に人間への応用が始まりました。

歯科での応用は医科の後になります。

現在でもチタン製の器具は医科、歯科で多く使われています。例えば骨折した部位をつなぐプレートとそれを留めていくネジですとか、義肢と残った骨をつなげる部品、癌などで切除してしまった体の一部をシリコンで作り、それを留めるためのマグネットを留めるためのネジ、骨に埋め込む補聴器などです。

 

 

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